「キャーーーーー!!!」
いきなり、家の中に叫び声が響いた。
それまでやっていた作業を放り出し、レンは急いでその声の元へと向かう。
「リンどうした!!?」
「レ、レンー・・・・・・」
叫び声を上げたリンは、ペタリと座り込んで泣きそうな顔でレンを見上げた。
微かにではあるが、体が震えている。
レンが近付くと、すがりつくように服の裾を掴む。
視線を合わせるようにしゃがみこみ、宥めるように頭を撫でながら優しい声で問いかける。
「大丈夫?」
「・・・・・・・・・。」
「何か怖いことでもあったの?」
黙ってリンは頷いた。
そして、怯えたような目で視線を部屋の隅へと向ける。
レンもそちらを見た。
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
カサリ。
そいつは唐突に姿を現した。
「・・・・・・っ!!!」
声にならない悲鳴を上げ、リンはレンへとしがみついた。
微かに顔をひきつらせながら、ゆっくりとレンは問いかける。
「・・・もしかしなくても、あれ?」
こくこくこくと、リンは黙って首を縦に振る。
「・・・・・・・・・。」
レンは黙ってそれを見た。
自分にしがみついているリンを見た。
しばらくの間、視線を交互に動かす。
その表情には、かなりの葛藤が見て取れた。
「・・・・・・リン、別の部屋に行ってていいよ。」
「・・・え?」
不安そうに見つめてくるリンに、レンは笑顔を向けた。
「大丈夫、俺が何とかしておくから。」
「でも・・・・・・レンは平気、なの?」
「ぜ・・・全然平気、だけど?」
「でも顔ひきつって・・・」
「ほら、早く立って!こっちに来たら嫌だろ?」
強引に腕を掴んで立たせリンを部屋から追い出すと、レンは深い深い溜息をついた。
(・・・本当は平気じゃないけどさ。)
部屋の中に置いてあった殺虫剤を掴み、新聞紙を丸めて握りしめる。
ゆっくりと、慎重にそれに近付きながら、レンは先程まで自分にしがみついていた少女を思い浮かべる。
体を震わせながら自分を見つめる、潤んだ瞳を。
「・・・あんなに怖がってるの見せられたら、俺が頑張るしかないだろ。」
手に構えた武器を握り直し、今まで以上に顔をひきつらせながら、レンは足を止めた。
敵は1匹、こちらは1人。
長くなるであろう戦いの始まりだ。
■キースさんにリクエストして頂いちゃいました。
イニシャルGが苦手なレンくん可愛いでしょうそうでしょううふふあはは(何故か誇らしげ)
お嫁にもらいたいですねっ
(立木さんにこやかに何寝言いってんですか)
キースさんありがとうございましたああああああああ!!